出産祝いをするときの配慮

●出産祝いはお七夜以降に

 産院からの退院は、出産後五日から十日というのが一般的です。身内やごく親しい友人(女性)は病室に産婦を見舞い、赤ちゃんの誕生を祝います。これを出産見舞いといいますが、ごく短時間にし、産婦の負担にならないようにしましょう。果物、花、栄養価の高い食品などを持参しますが、場合によっては受付や付添人に渡して帰るくらいのつもりで行きます。男性は夫、父親以外は病室に入らないのがマナーです。
 出産祝いは退院した産婦が落ち着いたころにします。だいたい十日から一カ月後がよいでしょう。産婦に都合を聞き、日中に訪問し、短時間で切り上げます。風邪などひいているときは訪問しないのが当然のエチケットです。
 出産直後の女性は一般的に気持ちが不安定になっています。先輩顔で育児の大変さなどを話すようなことは慎みましょう。
 何を贈るかですが、実家からはやや値段のはるベビー用品(ベッド、たんす、ベビーカーなど)を贈るのが一般的です。
 身内の場合は、なるべく本人たちの希望を聞いてから品物を選びたいものです。費用のかかるものは共同で贈りましょう。双方の実家などで現金を贈る場合は、赤ちゃん名義で通帳を作るのも気がきいています。
 友人、知人は半年先に使うベビー用の衣料や用品を贈るのが無難です。肌着などの実用品は喜ばれます。華美なドレスや紙おむつなどを大量に贈ったり、けばけばしい着色の食器などは避けたほうがいいでしょう。
 表書きは「御祝」とします。
 最近では、贈り物の傾向も変わってきています。たとえば、産婦に贈り物をする人も増えています。前開きのきれいな色のブラウス、オーデコロン、ガウン、花束や食品、紅白のワインなどをいただくのはうれしいものです。
 産婦への贈り物に赤ちゃん宛てのカードを添えるのもアイデアです。ある人は「ご両親がどんなにあなたの誕生を待っていたか」と書いたきれいなカードを贈るそうです。成長した子どもにとっても、かけがえのない贈り物です。

●出産祝いの手紙

 お祝いの手紙は時期をのがさないことが大切です。品物を郵送した場合も別便で手紙を出しましょう。赤ちゃんの性別、名前を間違わないように注意しましょう。

【文中で避ける言葉】
死ぬ、逝く、破れる、ほろぶ、病など。

●出産の内祝いのしきたり

 出産の内祝いは、宮参りの日に赤飯や紅白の餅、かつお節などを近所や親類に配るのがしきたりです。本来は出産の喜びを知らせる品ですが、現在、とくに都会地ではお祝いの返礼としての性格が強くなっています。
 贈る時期は出産祝いをいただいてから一カ月以上を目安にします。祝儀用贈答品(紅白の砂糖、石鹸、かつお節など)のほか、タオルやハンカチのセットがよく利用されます。品物はお祝いの金額にかかわりなく同じものにしてもさしつかえありません。半返しか三分の一返しにしてもよいでしょう。
 品物には紅白の蝶結びの水引きを印刷したのし紙をかけ、上段中央には「内祝」、下段中央には赤ちゃんの名前だけを書きます。
 贈る相手が多かったり遠方であるときには郵送します。
 デパートなどから直接送った場合は、別便でお祝いのお礼と内祝いを送った旨をしるした手紙を出すようにします。