死亡通知を出すとき

●死亡の連絡の方法

 葬儀の日取りを決める前に、とりあえず死亡の知らせを伝える必要のある人たちがいます。家族、親族、故人ととくに親しくしていた友人、故人の勤務先などです。危篤の通知でかけつけた親族がいったん引き揚げているときは、その人たちにも再度連絡しなければなりません。
 死亡の連絡は、家族は気が動転しているので、親族や友人が分担するほうがよいでしょう。
 電話では、先方が出たらまず喪家との関係を述べ、「○○様が今夕○時にお亡くなりになりました。とりあえずお知らせいたします」などと簡潔に伝えます。早朝や深夜の場合は、最初に非礼をわびてから話をしましょう。なお、死亡の連絡は目上の人でも電話でかまいません。FAXは、故人の名前、死亡時刻、死亡した旨の文、発信人の内容を記します。
 勤務先へは、直属の上司か人事課まで知らせます。また、葬儀の際にはいろいろな役割を分担してもらうことの多い地域の自治会や町内会役員、近隣の人たちにも知らせます。
 そのほか、寺院や葬儀社へ連絡して、通夜・葬儀・告別式の日取りを決定します。日取りが決定したら、参列してもらいたい人に、改めて電話かFAXで期日と場所を連絡します。

●死亡通知状の出し方

 死亡通知状は印刷の時間がかかるので、最近の傾向である当日通夜、翌日葬儀に間に合わないことが多く、現在ではあまり出されていません。しかし、密葬後の本葬や社葬など、死亡後葬儀まで時間のある場合は、きちんと印刷して発送します。臨終の際や死亡直後に連絡してある人にも、改めて葬儀の日時や場所に通知します。
 通知状に用いるはがきや封書は、葬儀社に文例と見本が用意されています。一般的には、黒かグレーの枠入りのはがきが使用されます。文面は、時候の挨拶などは省き、要件のみ簡潔に記します。①喪主と故人の続柄、故人の名前、死亡時刻、②生前の厚誼の礼、葬儀・告別式の日時と場所、③発信年月日、喪主と遺族の名と住所の順に記します。友人代表の名を別記することもあり、葬儀委員長を立てる場合は、その氏名を喪主の前に書きます。
 また、宗教による葬儀形式も記し、供花・供物・香典を断る場合もその旨明記しておきます。何も書かれていないときは、日本の葬儀の八~九割以上を占める「仏式」と考えられています。
 印刷ができたら、手分けして宛名書きをし、すばやく発送します。遺族は故人の住所録や名刺のチェックを早く済ませておきましょう。

【冠婚葬祭コラム】

■死装束

 仏教のしきたりでは、日蓮宗と真宗を除くと、経かたびらを左前に着せ、天冠(てんかん、三角巾)をあて、手甲脚絆(てっこうきゃはん)、白足袋、わら草履などの「死装束」を調えてあげます。しかし、近年では葬儀社の用意した経かたびらを上からかけるだけ、というように簡略化されつつあります。さっぱりしたゆかたや愛用していたスーツなどを着せることもあり、格式を重んじるときは、モーニングや羽織袴にすることもあります。