死去直後の段取り

●死去の知らせを受けたら

 思いがけない訃報に接すると誰でも動転せずにはいられないものですが、死去の知らせは落ち着いて受けるようにしましょう。電話口で取り乱したり、死去した前後のことをくどくど聞きただしたりするのはいけません。
 本人が不在のときは内容を正確にメモして連絡を取ります。また故人と親しい間柄なら、遺族を助けて死亡通知の一部を引き受けるのもよいでしょう。

●近親者はすぐにかけつける

 喪家にできるだけ早くかけつけるべき人の範囲は近親者と、自他ともに許す親友です。覚悟していた場合でも肉親の死によるショックは大きく、何から手をつけていいのかわからないというのがふつうです。弔問客を迎える準備、諸手続き、遺体の安置など人手はいくらでも必要なので、お悔やみを述べたら「そのつもりで来ましたから、何でもいいつけてください」と手伝いを申し出ましょう。念のため、泊まり込みのできる準備を整えていくことも遠方からおもむく場合は必要です。喪装のほか、女性ならエプロンなども持参します。
 ただし葬儀の進行を会社で取り仕切ることもありますから、出過ぎることのないように十分注意してください。
 遠方に住んでいる親族は、到着の日時を知らせておきます。

●友人・知人の弔問時期

 友人や知人の場合は、故人や遺族との親しさの度合いで対応が異なります。近親者と同じ身内として手伝うこともありますが、さほど親しくなければ通夜の祭壇が整ったころに弔問するほうがよいでしょう。
 ようすがわからない場合でも、喪家に直接電話するのは避けたいものです。僧侶の読経中に電話が鳴るのは迷惑です。取り込んでいる喪家を避け、知人や近所の人に聞いてみましょう。やむをえず電話をしたときは遺族を呼び出したりせず、用件を簡潔に聞くにとどめるのがマナーです。
 喪家から電話などで知らせを受けた場合は、とりあえず弔問にかけつけます。服装は地味な平服で、状況によって玄関先で取り次ぎの人にお悔やみを言って、「謹んでお悔やみ申し上げます」
 などと書いた名刺を渡して帰ります。部屋に通されたら遺族に挨拶をして、霊前に線香をあげましょう。長居をしないのがマナーです。
 死亡通知状や人づてに死去を知った場合は、葬儀か通夜のどちらかに出席すればよいでしょう。
 昔ながらの近親者を中心にした通夜をする場合や自宅が狭いときは、葬儀に出席します。

●事故死・変死の場合の弔問

 急死で事情がわからない場合は、喪家からの連絡がないかぎり、弔問などには出向かないほうがよいでしょう。事故死や自殺、子どもの死亡のときは葬儀を密葬だけにすることもあるので、さしでがましいことをしないのが遺族への思いやりです。一般の知人・友人は葬儀に出席しますが、その際も死因にかかわる質問やうわさ話は厳禁です。

●弔電を打つとき

 どうしても弔問、通夜・葬儀に出向けないときはとりあえず弔電を打ちます。既成の電文もありますが、できれば自分の言葉でお悔やみの心を表したいものです。
 通夜・葬儀に出席できなかった場合や、後日死去を知ったときは、葬儀後の初七日などの法要のときに弔問に行くとよいでしょう。遠隔地などの場合は後日、お悔やみの手紙を出します。