@危篤と臨終



肉親が危篤になったとき

医師から肉親の危篤の通告を受けたときの、ショックと悲しみは、計りしれません。 しかし遺族は悲しんでばかりはいられません。本人のいきのあるうちに、最後の別れの必要な方に連絡をとるようにします。

@危篤を連絡する範囲
・家族
・三親等までの近親者
・親しい友人・知人
・勤務先や関係団体など
※三親等までの親族であっても日頃疎遠であれば連絡の必要はなく、むしろ友人など、病人が本当に会いたがっていると思われる人々を中心に考えるようにします。

A連絡の方法
・電話…危篤の通知は急を要することですから、相手が目上の人であっても失礼にはなりません。
 本人が危篤であること、どこにいつ頃までに来てもらいたいかを、要点を絞って伝えます

・電報…先方が不在で電話連絡がつかない場合に便利です。
 電文は「○○キトク デンワコウ」「○○キトク スグオイデコウ」などとします。

臨終を迎えたとき

@末期の水をとる
医師から臨終の宣告を受けた際に行うしきたりです。臨終に立ち会った人々で、故人に「末期の水」(死に水とも言う)を含ませます。生命に欠くことのできない水の霊力で、故人にもう一度蘇ってもらいたいと言う願いをこめ、また死後にのどが渇くことのないように、との意味もあるようです。

<方法>
 新しい筆か割り箸の先にガーゼか脱脂綿を巻き付けたもの、水を満たした茶碗を用意します。
これを故人の唇に軽く当ててうるおしてあげます。
<末期の水をとる準備>
血縁の深い順で、配偶者、子(年齢順)、故人の両親、兄弟姉妹、子の配偶者(年齢順)、孫といった順になります。

死亡届を提出する

@提出までの流れ

|死亡診断書・死亡届を受け取る
医師によって死亡が確認され、死因に不審な点がなければ、その医師が死亡診断書を書いてくれます。死亡届は死亡診断書と一緒になっています。
}市町村役場に提出する
これに遺族が必要事項を記入し、死亡した場所を管轄する市町村役場の戸籍課に届けます。(死亡した土地が本籍地でない場合は2通必要)
~火葬(埋葬)許可証の交付を受ける
死亡届けを提出してはじめて、火葬(埋葬)許可証が交付されます。できるだけ早く提出するようにしましょう。役所側も1年中、24時間受け付けています。
届出人
同居の親族が望ましいのですが、代理人を立てても構いません。友人、知人に依頼してもよいですし、紫雲閣でも代行します。

A事故死、変死の場合
警察医による検視が行われ、その後「死体検案書」が交付されます(死亡診断書と兼用となります)。
交付された後は、自然死、病死の場合と同様です。
検死により、解剖が必要だと判断された場合は遺族の医師に関わらず、行政解剖が行われます。

B他殺の場合
自殺、事故死と同様ですが、病院に運ばれた後に死亡した場合は、自然死と同じ扱いを受け、死因に不振がなければ死亡診断書が交付されます。

C旅先で死亡した場合
出張中や旅先での事故、遭難などの場合は、可能で有れば遺体を住居地に運んで葬儀をしますが、遺体の損傷が激しい場合は、現地で火葬して、遺骨を持ち帰る場合もあります。
通夜は近親者だけで行い、多くの場合は自宅に戻ってから葬儀を改めて営みます。

●密葬と本葬

現地での火葬を密葬、住居地での葬儀を本葬と言います。山や海で遭難して遺体が見つからない場合は、いったん密葬を営み、遺体が戻ってから本葬をすることもあります。
●遠隔地の遺骨を持ち帰る場合
手続きが複雑なので、肉親など3〜4人で出向いた方がよいでしょう。現地の病院、葬儀社、僧侶などへの支払いのための現金も必要です。遭難などもの場合は、捜索費用なども必要になることがあります。 自然死の場合は通常の手続きですが、事故死、変死の場合は、死体検案書を2通交付してもらい、手続きの後火葬して、遺骨を住居地に持ち帰るということになります。

遺体を安置する

@清拭・死化粧をし、死装束を着せる

●清拭とは
医師によって死亡が確認された後、遺体を拭き清める作法です。昔はたらいに湯をはっておき、そこに水を入れてぬるくする「逆さ水」を用いたり、柄杓ややかんを逆手に持ったりして行っていました。 現在ではガーゼや柔らかい布、脱脂綿などアルコールを含ませて、全身を拭き清めます。その後、汚物が出ないよう、のど、花、耳、肛門に脱脂綿を詰めます。病院では看護婦さんがやってくれます。
●死化粧
目は軽く閉じさせます。口は下からあごを持ち上げるようにすると自然に閉じ、穏やかな口元になるでしょう。男性はひげを剃り、髪を整えます。女性も髪を整えた後、軽くおしろいをつけ、口紅を薄めにひいてあげます。これも病院では看護婦さんがやってくれることが多いようです。
●死装束
仏教のしきたりでは(日蓮宗、真宗をのぞく)、経かたびらを左前に着せ、図のような死に装束を整えることになっています。しかし、近年では葬儀社の用意した経かたびらを上からかけるだけというふうに、簡略化されつつあります。さっぱりしたゆかたや愛用していたスーツなどを着せることもあり、格式を重んじる時にはモーニングや羽織袴ということもあるようです。

A遺体を安置する(仏教の場合)
自宅の場合は仏間または座敷に安置します。

●布団

敷布団、掛布団ともに薄いものを1枚ずつにし、かけぶとんは普段足下にくるほうを頭に向けて掛けます。
●北枕(故人の位置)
故人は北枕に寝かせます。お釈迦様が涅槃に入ったときの姿が頭を北にしていたということから来ています。部屋の都合で北向きが無理な場合は、極楽浄土があると信じられている西を枕にしても構いません。
●逆さ屏風
枕元には屏風を逆さに立てます。北枕や逆さ水と同じように、普段と逆のやり方をすることで、死という非日常的な世界を象徴しているのです。ただ、最近では省略されることも多くなってきています。
また、枕元や胸元には、魔よけとして守り刀を置きます。

B枕飾りを行う
遺体を安置したら、枕元に様々な供物を捧げます。これを「枕飾り」といいます。

●仏式の枕飾り <用意するもの>
・焼香台か小机に白布をかけた台…この上に供物を並べます。
・花…1本のみ。仏前草と呼ばれる樒(しきみ)を用いますが、手に入らないときは菊でも構いません。
・線香、ロウソク…いずれも1本備えます。線香、ロウソクの火は絶やさないようにします。
・一膳飯…故人が使っていた茶碗に飯を丸く山盛りにし、箸をまっすぐに立てます。
・団子…枕団子ともいい、上新粉を蒸すかゆでるかして6個(地方により7個)作って備えます。
・水…容器は日頃使っている茶碗かコップで構いません。

 

●神式の枕飾り(枕直しの儀)
神式では「枕なおしの儀」といいます。遺体は北向きか、または頭を部屋の上方方向に安置し、逆さ屏風を立てます。
<用意するもの>
白木の八足台…遺体の前に置きます。この上に供物をお供えします。
水、洗い米、塩、御神酒を供えます。
両側に榊を飾り、灯明をともします。
●キリスト教の場合 枕飾りの主観は特別ありません。枕元には十字架とロウソクを置き、灯明を絶やさないようにすることが多いようです。

以上のような習慣は、宗教や地域によっても差がありますので、近親者や葬儀社、僧侶などに相談して決めた方がいいでしょう。また最近ではしきたりも簡略化されつつあるようです。


C神棚封じをする
家に神棚をまつっている場合は、扉を閉めて白い紙で閉じます。神道では死をけがれとして忌むためだと考えられます。

死亡を通知する

@死亡の連絡の方法

葬儀の日取りを決める前に、死亡を知らせる必要のある人々には連絡をします。
別居の家族、親族、故人、特に親しくしていた友人、故人の勤務先などです。
危篤の連絡の際と同様に、電話か、不在者には電報を打つのがいいでしょう。

●電話連絡の方法

肉親は気が動転している場合も多いので、親族や友人が分担してかけるのがよいでしょう。
まず、故人との関係を述べ「○○様が今夕○時にお亡くなりになりました。とりあえずお知らせいたします」などと簡潔に伝えます。告別式の日程が決まったら、参列してもらいたい人には改めて電話か電報で期日と場所を知らせます。
●電報を打つ場合
いきなり「シス」という電報はショックが大きいことから、始めに「キトク」などの電文を打ち、間をおいて死亡の電文を発信した方がいいでしょう。
●勤務先への連絡
直属の上司か、人事課に知らせます。
●近隣の人々への連絡
葬儀の際にはいろいろな役割を分担してもらうことも多いものです。近所づきあいをしている範囲で、ご近所の人々にも連絡し、自治会や町内会役員にも連絡をしておきましょう。

A死亡通知状の出し方
死亡を通知するハガキは、印刷に時間がかかる等の理由で、当日通夜、翌日葬儀が多くなった今では、あまり出されていません。しかし密葬後の本葬や社葬など、死亡後葬儀までに時間がある場合は、きちんと印刷して発送します。通知状に用いるハガキや封書は葬儀社に文例と見本が用意されています。
故人の知名度が高かったり、社会的要職についていた場合などは、新聞に死亡広告を出すこともあります。その場合も文面は死亡通知状と同じでいいでしょう。

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