七五三

●成長の節目を祝う七五三

 十一月十五日に三歳と五歳の男児、三歳と七歳の女児を連れて神社に参拝し、すこやかな成長と神の加護を祈る行事です。三歳の髪置き(髪をのばしはじめる儀式)、五歳の袴着(はかまぎ)の祝い、七歳の帯解きの祝いなど、江戸時代の習俗を一つにまとめたもので、今日のように華美なものになったのは大正時代からともいわれます。
 もとは数え年で祝いましたが、満年齢でもかまいません。上の子は数えで下の子は満年齢で兄弟いっしょの七五三にしてもさしつかえありません。男女の別も土地によって異なります。
 当日は晴れ着を着て神社に参り、近所や親類の家をまわって夜は祝いの宴を開くのがしきたりです。日取りも十一月十五日前後の休日を選ぶのが一般的で、どこの神社に参るかも自由です。
 両親が挙式したホテルや式場の神社に参り、会食を行うのもよいでしょう。

●七五三の晴れ着は合理的に

 七五三に着飾る習慣は江戸時代の商人たちにより普及されたといわれます。子どもが自分の成長を感じ取れるような、その家なりのフォーマルな装いをすればよいのです。和洋の別は好みですが、正月やその後の改まった席にも着ていけるものを選ぶのが合理的です。付き添いの父母や祖父母も外出着程度で十分です。

●七五三の贈答

 神社からの帰り道に挨拶まわりをする場合は、千歳飴(ちとせあめ)を子どもの手から渡しますが、ていねいにするなら赤飯か簡単な内祝いの品を持参します。内祝いの品には紅白蝶結びの水引きを印刷したのし紙をかけ、表書きは「内祝」とし、下に子どもの名前を書きます。名前の右肩に年齢を入れるのもよいでしょう。親類や知人がお祝いをしたいときは、子どもが身につけるものやおもちゃなどを大げさにならないように贈ります。
 七五三のお祝いには品物ではお返しは不要ですが、過分と思われる品をいただいた場合は「内祝」として、半返し以下のものを返します。お返しは十一月末ぐらいまでにし、子どもの写真を添えて贈りたいものです。
 なお身内などのごく親しい人は自宅に招いてもてなします。祝い膳は子どものお祝いらしい料理を心がけます。ホテルの会食プランを利用してもよいでしょう。