新郎新婦の家族の心得

●花嫁・花婿の準備

 当日は挙式の二時間前には美容室に入り、化粧や着付けをします。美容師には、礼儀正しく挨拶して指示に従いますが、帯が苦しいとか、かつらが痛いときは率直に申し出ることです。また食欲がなくなりがちですが、空腹が原因で式や披露宴の途中で気分が悪くなることもあります。少しでかまいませんから食べておきましょう。ただし水分は控えめにしておきます。
 新郎の支度は短時間で済みますが、最後の打ち合わせがあるので、一時間前には到着するようにします。

●控え室での挨拶

 支度が整った花嫁は控え室に移り、挙式を待ちます。お祝いのことばには軽く頭を下げ、座ったままで祝福を受けます。介添人が付き添いますから、万事、指示に従えばよいでしょう。
 両親は来賓に挨拶をしますが、相手方の親族には礼儀正しい親しみのある態度で接したいものです。相手方の親族には「○○の姉の○○でございます。どうぞよろしくお願いいたします」などと、折り目正しく挨拶をして、歓談します。また兄弟は連絡などの雑用に気を配り、姉妹は茶菓の接待にあたります。親族は来賓に失礼がないよう注意し、話し相手になるよう心がけます。

●当日のスケジュール

 定刻になったら式場の係員の先導で式場に向かいます。式次第の概略をのみこんでおけば、あとは指示に従えば十分です。キリスト教式以外の式では幼児は式に参列させないほうが無難です。
 一同がそろったところで、新郎の父親の司会で親族の紹介をする場合もあります。そのあと、披露宴が始まる前までの時間を利用して写真撮影をしますが、親族以外ではよほど親しい人に限られます。
 再び控え室に戻り、開宴まで歓談します。先方の親族とは、なごやかに話したいものです。また招待客は控え室のほうに挨拶に来ますが、新郎新婦や両親は控え室から動かないことです。
 披露宴は二時間~三時間ほどが普通です。

●両親、兄弟の服装

 両親の服装は新郎新婦の服装に合わせるのが基本です。双方の両親の服装のつりあいがとれるよう、打ち合わせしておきます。両親は正式礼装が一般的です。式場で準備できますので、事前に担当者へ相談するとよいでしょう。
 兄弟の服装は両親に準じます。学生は制服を着用してもかまいません。未婚の姉妹は振袖、中振袖、訪問着、年齢によっては色留袖か訪問着がよいでしょう。
 洋装ではスーツやワンピースが適当ですが、淡い色にするなど、花嫁をひきたてる心づかいがほしいものです。

【冠婚葬祭コラム】

■婚礼の忌みことば
 おめでたい席なので、不吉な話題、死や病気に関する話は慎むのがマナーです。

 ①結婚の破綻を暗示する――去る、出る、帰る、戻る、離れる、切れる、終わる、破る、ことわる、飽きるなど
 ②結婚は生涯に一度とするところから重ね言葉を忌む――または、かさねがさね、かつまた、再々、重々、返す返すなど
 ③死や病に関する言葉――病む、死ぬ、滅びるなど

 当日の会話や挨拶、スピーチでは十分気をつけたいものですが、うっかり口にしてしまったら、あやまったり訂正せずに、そのままさりげなく話し続けたほうがスマートです。