キリスト教結婚式

 式次第はカトリック系とプロテスタント系で違いますし、宗派や教会によっても異なります。
 ただし事前に打ち合わせやリハーサルをしてくれますから、指示に従います。参列者には式次第と讃美歌や聖歌の歌詞カードが渡されます。

【プロテスタントの式次第】
・入場
 参列者が入場した後、ウェディングマーチのオルガン演奏の中を新郎が入場し、新婦を待ちうけます。
新婦は父親と腕を組み、入場します。一同が起立して見守る中、父親は新郎に新婦を引き渡します。

・讃美歌合唱
 一同で祝福の讃美歌を合唱します。不案内な人は歌詞を見て、口だけでも軽く合わせましょう。

・祈祷
 牧師が聖書の一節を読み上げ、祈りを捧げます。

・誓約
 牧師の問いかけに答える形で、神の前で結婚を誓います。参列者は証人として起立して見守ります。

・結婚指輪の交換
 介添人が牧師に指輪を渡し、新郎が新婦の左手薬指にはめます。新婦の手袋と花束は介添人が預かります。

・祈祷・宣言
 牧師は二人の右手を重ねてその上に自分の手をおき、神に祈ります。次に参列者に対し、二人の結婚が成立したことを宣言します。このあと婚姻届に署名することもあります。

・退場
 新郎新婦は互いに手を組み、バージンロードの上を退場します。参列者は起立して見送ります。

*式場中央のバージンロードには決して足を踏み入れないよう、参列者一同は注意しましょう。
*カトリックの場合は祈祷の際、信者以外はひざまずく必要はありません。また参列者でベールをかぶるのは信者に限られます。

【冠婚葬祭コラム】

■その他の結婚式

◆人前結婚式

 宗教から離れ、集まってくれた人たちの前で結婚を誓い、婚姻届に署名する人前結婚式は、比較的簡素で本人たちの意志も生かせる結婚式です。式のあとはそのまま披露宴に移ります。
 式次第も自由ですが、BGMを利用するなどして厳粛な雰囲気をつくりましょう。

【式次第】
・入場…参列者一同が入場着席して見守る中、新郎新婦が入場します。
・司会挨拶…司会は二人を紹介し、これから挙式することを告げます。
・誓いのことば…新郎新婦は自分たちのことばで、二人の結婚を参列者に誓います。
・署名…新郎新婦、証人が署名します。
・結婚指輪の交換
・乾杯…司会が二人の結婚を報告し、一同で乾杯します。
・退場…新郎新婦は一度退場し、引き続き披露宴に入るのが一般的です。

◆仏前結婚式

 数の少ない仏前結婚式ですが、法事などと重ならなければゆったり行うことができます。大きな寺院のほかは、菩提寺に相談するのが一般的です。自宅で行うこともできます。
 式次第は宗派により異なりますが、神前結婚式とそう変わりません。式への出席者は会場が広いため、親族を中心に多くなるのがふつうです。出席者の服装などは神前結婚式と同様ですが、信者は数珠を持参します。式の進行については事前に係員から説明があります。

【式次第】
・入場…僧侶か係員の誘導でまず参列者が入場し、次に新郎新婦が席につきます。
・敬白文朗読…司婚者(僧侶)が仏前に、これから結婚式を行うことを報告します。一同は起立します。
・授与…仏前に供えてあった念珠(数珠)を新郎新婦に授けます。白い房の念珠を新郎に、赤い房のものを新婦に渡しますから、二人は左手の四指にかけます。
・司婚の辞…司婚者の問いかけに答える形で、二人は結婚を仏前に誓います。つづいて僧侶が参列者に対し、二人の結婚の成立を報告します。
・新郎新婦焼香…念珠を左手に下げ、新郎から焼香します。
・誓杯…杯事ともいい、神前結婚式の三献と同様に杯をかわします。このあと参列者一同で親族固めの杯をする場合がありますが、杯事には仏教的意味はありません。別室で行うこともあります。
・退場…司婚者挨拶、礼拝のあと、司婚者、新郎新婦、親族の順で退場します。

*一部を除いて寺院では披露宴ができないことが多いので、披露宴会場は別に用意します。
*ホテルや式場にある仏前結婚式場を利用する方法もありますが、数が少ないのが現状です。