●死亡届の出し方
人が死亡したら、死亡届を出すことが戸籍法で定められています。医師によって死亡が確認され、死因に不審な点がなければ、その医師が死亡診断書を書いてくれます。死亡診断書は、死亡届といっしょになっています。
これに遺族側が必要な事項を記入し、故人の本籍地、届出人の住所、死亡地を管轄する市区町村役所(場)の戸籍係に届け出ます。
規定では死亡後七日以内に提出することになっていますが、死亡届を提出して初めて火葬(埋葬)許可証を交付してもらえるので、実際は一日の猶予もありません。できるだけ早く提出するようにしましょう。役所側も一年中、二十四時間受け付けてくれます。
届出人は、できるだけ同居の親族がのぞましいのですが、必要事項を記入したら代理人をたててもかまいません。
葬儀社も代行してくれますし、友人、知人に依頼してもよいでしょう。
●事故死・変死の場合
自殺や事故死、変死の場合は、警察医による検案・検視が行われ、それから「死体検案書」が交付されます。死体検案書は死亡診断書と兼用になっていますから、交付されたらあとの手続きは自然死の死亡届と同じです。
検視によって解剖が必要と判断されたら、遺族の意思にかかわらず、行政解剖が行われます。この場合、遺体が戻されるのは、一般的にはその日のうちですが、病院に運んだのが夕刻だったり、日曜・祝日だと一~二日後になります。
事故死で共通するのは、現場で即死した場合は、必ず死体検案書が必要になるということで、これは自・他殺とも同じです。一方、病院に運びこまれたのち死亡した場合は、自然死と同じ扱いを受けます。
●旅先で死亡した場合
出張先や旅先での事故、遭難で死亡した場合は、遺体を運んで住居地で葬儀を行うこともありますが、遺体の損傷がひどいときなどは、現地で火葬にして遺骨を持ち帰ることも多くあります。
現地での火葬を「密葬」、住居地での葬儀式を「本葬」といいます。山や海で遭難して、遺体が見つからないときも、いったん密葬を営み、遺体が戻ってから本葬をすることもあります。
遠隔地の場合、遺体の引き取りは手続きが複雑なため、二人は出向いたほうがよいでしょう。現地の病院、葬儀社、僧侶への支払いのための現金も必要です。また、死亡の原因によっては、捜査費用や遺体収容費が必要なときもあります。
自然死のときは、通常の手続きになりますが、事故死、変死の場合は、死体検案書を交付してもらい、手続きののち、火葬にして住居地に持ち帰るケースもあります。
【冠婚葬祭コラム】
■臓器提供等の意思表示があった場合
故人が生前から、あるいは遺言で、医学の進歩のために遺体を解剖用に提供することを望んだ場合、故人指定の病院や加盟していた団体に連絡すると、先方から遺体引き取りの車が手配されます。とくに故人が指定していなかったときは、最寄りの大学病院に連絡すると手続きを行ってくれます。遺骨となって遺族のもとへ戻るのは半年から一年後、その間の費用はいっさい病院側が負担します。
献眼の場合は、故人登録のアイバンクか、最寄りの大学病院へ。
献腎も同様です。これらの手続きはできるだけ早くする必要があります。