●葬儀・告別式は続けて行う
葬儀は故人の成仏を祈る儀式で、告別式は故人に最後の別れを告げる行事です。葬儀と告別式は併せて一時間くらいで、続けて行うのが一般的です。会葬者も定刻前には式場に入れるように早めに出向くことが大切です。
●受付での心得
受付では短くお悔やみを述べて記帳するか名刺を渡し、香典を差し出しますが、名刺は左下かどを小さく折ったり、左肩に「弔」の字を書き入れる慣例があります。香典は表書きが相手から見て正面になるように向け、両手で差し出します。なお、香典袋に現金を入れ忘れていることが案外ありますから、式場に着く前に必ず中身、名前を確かめておきましょう。
記帳が済んだらコートや荷物を預り所に預け、合い札を受け取ります。できれば手ぶらで行くようにしたいものです。
受付のあたりには次々と会葬者が続くので、知り合いを見つけても目礼にとどめて式場に入りましょう。式場では一般的な席次に準じて着席します。
告別式会場で喪主や遺族と顔を合わせても、親しくお悔やみをいう機会はないのがふつうです。むしろ遺族をひとり占めすることのないようにし、焼香のとき目礼するだけにとどめます。
●葬儀・告別式の作法
葬儀の式次第は宗教宗派によって違いますが、必要な場合は指示があるので、それに従えば心配いりません。一般会葬者で葬儀に出席した場合は末席につき、焼香も最後に行います。
告別式に移ると、出席者は司会者の指示で焼香をします。規模が大きい葬儀では立式で焼香をすることもありますが、自分の番が来たら遺族席に目礼して香炉の前に進みます。焼香の回数は一度でも二度でもかまいません。正面に置かれた遺影を見て、心の中で故人との別れをします。
●弔辞の内容と形式
弔辞を依頼されたら引き受けるのがマナーです。故人に語りかける別れの言葉が弔辞ですから、自分の心の内を率直につづればよいのです。時間は三分程度にし、内容は①自分と故人の関係、②故人の思い出、業績、人柄の紹介、③死を悼む思いと残された者の決意、遺族への励ましなどとするのが一般的です。
巻紙か奉書紙に薄墨で書くのが正式ですが、最近では扱いが楽な、経本の体裁の用紙が使われています。指名されたら、故人に語りかけるつもりで読みましょう。途中でつまっても真心のこもったものであれば、参列者の心に響くはずです。
●出棺・火葬
棺が自宅または式場を出て火葬場に向かう出棺は、会葬者、近所の人たち、世話人や手伝っていた人など全員で見送りましょう。コートや帽子をとり、深く一礼して霊柩車を見送ります。火葬場へ同行する人数は限られますが、遺族から声をかけられたらいっしょに行ってかまいません。
火葬は一時間以上かかるものですが、火葬場の控え室では、葬儀が終わった安心感からついはめをはずしがちです。遺族や身近な人にとって一番つらいのが火葬と骨あげであることを忘れていけません。骨あげは火葬場へ同行した人全員で行います。二人一組で足のほうから、渡し箸の作法で骨を骨壷に納めます。
遺骨が喪家に帰ったあと、精進落としが行われます。現在の精進落としは、遺族と近親者が葬儀の世話役を慰労し、感謝する機会になっていますから、一般の会葬者は遠慮するようにします。