A葬儀の準備



遺族・近親者が決めておくこと

@喪主を決める
喪主は葬儀の代表者として、故人になりかわって弔問を受ける人。
通夜の前に決定しておきましょう。
配偶者が一般的で、配偶者が死亡して原則として血縁の濃い順に選びます。
配偶者、長男、B次男、男子がいない場合は嫁いでいても長女、次女の順です。
戸外無いときは父親、母親、兄弟の順番となります。

※故人が生前に喪主を指定していた場合には、その希望に沿うようにします。
※喪主があまりに高齢だったり、幼児であるのは、弔問客に礼を欠くこともあり、好ましくありません。
※喪主は葬儀に続く一連の仏事においても主催者となります。そのことも考慮しましょう。

A葬儀の宗教形式を決める
仏式、神式、キリスト教式など葬儀の形式はなるだけ早急に決めましょう。
宗教形式は故人の行こうに従うのが大原則です。
初めて葬儀を出す家の場合は宗旨がわからずあわてるケースもあります。不祝儀ごとは、予定の立たないものですから早いうちに郷里や本家筋などに確認を取っておくことが大切です。諸宗派によるしきたりの違いはかなり複雑で、戒名等にも現れます。確認を怠って他宗派の戒名をつけてしまうと、菩提寺で埋葬するのが困難になる場合もあります。

●無宗教も増加傾向に
特に遺言もなく、信仰もなく、といった故人の場合は、無宗教葬という方法も考えられます。しかし、信仰がないからと言って、必ず無宗教葬にしたほうがいいということもありません。
生前の故人の考え方を思い出し、遺族と近親者でよく話し合って決めるようにすればよいでしょう。

B葬儀の規模、費用を決める
葬儀の規模については、まず生前の故人の意志を尊重しましょう。
盛大であればあるほど、故人が極楽往生できると言われていたのは昔のこと。
無理のない範囲で行い、ある程度簡略化されてもいいというのが、近年の考え方です。
費用の目安は、一般的にその時どきの生命保険の最低金額などと言われます。
また、葬儀は香典を宛にするものでなく、ある程度のお金を確保しておくべきだという考え方もありますが、故人が長い闘病生活の後、死亡した場合などは、遺族の負担も膨大なものかもしれません。
ある程度の香典の額を予想し「香典でまかなえる規模の葬儀を」という考え方もあっていいのではないでしょうか?
また、冠婚葬祭互助会に入っておけば、負担が軽減されて安心かもしれません。

C葬儀の日程を決める
死亡通知が届く時間、遠方の参列者の到着時間、僧侶や火葬場の都合を考えて決めます。
火葬、埋葬は死亡後24時間以上経過しないと認められないと法律で定められています。
一般的には、死亡日に納棺→翌日通夜→翌日葬儀・告別式という流れですが、死亡時間が朝で
準備に時間がとれる場合は、当日通夜の場合もあり得ます。
また、友引の日は葬儀をしないのが普通。「死者が親しい人を引き寄せる」という、全くの迷信から出た風習でしょうが、火葬場も休みのことが多いので避けたほうが無難です。

D式場を決める
自宅で行う場合が多いのですが、アパート、マンションなどで、スペースが確保しにくい場合は、地域の公民館、寺院や葬祭会館で行うこともあります。特に葬儀社に全てを任せられる葬祭会館を利用する人が最近増えてきています。

E社寺・教会へ、弔いを依頼する。
日頃から信仰している宗教の寺院や、神社、教会などが有ればすぐに連絡して、通夜、葬儀、告別式の予定を伝え、打ち合わせをします。取り込んでいる最中なので、依頼は電話で済ませてもさしつかえありません。

F寺院に相談する内容
葬儀の日取りと時間、読経してもらう僧侶の人数、戒名の依頼、火葬場へついていってもらうかどうか。などを打ち合わせます。

G神社へ依頼する場合
依頼に出向く場合は、喪主や喪家の人間が行くの避けて、代理人を立てるようにします。また死者が出た家のものは忌みの期間が終わるまで神社には入れません。一般的には世話役代表か葬儀社が神官への依頼をします。

葬儀社へ葬儀を依頼する

@葬儀社の選び方
地方ではお寺とのつきあいや、地域のつながりも密接ですので葬儀に際しても、情報交換しやすく、手順良く運びますが、都市部では、全てを葬儀社にゆだねることにもなります。そこで葬儀社選びも大切なこととなります。

●喪家に近い葬儀社

直接打ち合わせするのによく、車の手配なども便利
●市町村役場に相談
該当地域の葬儀社を紹介してくれるほか、安く葬儀を行いたい場合は、公営葬(市民葬、区民葬)の指定業者を紹介してくれます。
●葬祭業協同組合加盟店
同地域内の葬儀社が作っている協同組合で標準価格を設定しているので安心できます。
●冠婚葬祭互助会
全国で2000万人近い人々が互助会に入っています。システムは、毎月数千円を積み立てておき、必要に応じて利用するというもの。満期になればいつでも葬儀を行うことができ、積み立ての途中でも差額を払えば満期と同じように葬儀ができます。通産省認定業者かどうか、加入者保証共済制度に加入しているかどうかも確認しましょう。

A葬儀社と打ち合わせをする
現在の葬儀社は、臨終の際から葬儀後の仏事に至るまで、全てをとりしきってくれます。わからないことは何でも尋ね、相談してみましょう。しきたりに関してもノウハウがあるはずです。

●葬儀の宗旨、場所、日時、予算の相談に乗ってもらいます。
●打ち合わせは1人ではなく、親族の中からひとり、ふたり加わってもらっていた方がいいでしょう。
 世話役代表にも加わってもらえば、当日の進行もスムーズに運ぶでしょう。
●予算では、はっきりした枠を決めて、しっかり伝えることが大切です。
 細かい見積書をもらって打ち合わせるのはもちろん、セット料金に含まれているもの、
 別料金になるものも確認しておきましょう。

B世話役の依頼と役割分担を決める
遺族だけで葬儀の全てを取り仕切るのは困難なので、喪主や遺族に川って葬儀を実際に運営する世話役を頼みます。喪家と交際があり、故人と親しかった人に世話役代表をお願いし、代表を中心に世話役が役割を分担して葬儀の準備〜進行を行っていきます。代表は神経と体力を消耗する仕事ですので、相手の体調や年齢も考えて依頼するようにします。

●世話役代表の仕事(仏式葬儀)

世話役代表の仕事を追っていくことで葬儀全体の進行手順もわかります。
世話役代表はこれらの仕事を単独で行うというより、遺族と相談しながら、全体をとりまとめていくと考えて下さい

通夜前
・葬儀の日取り決定の相談に乗る
・各世話役の役割分担
・葬儀社の手配、打ち合わせ
・寺院との打ち合わせ
・近所や警察への挨拶(道路使用許可証など)
・式場申し込み(自宅外の場合)
・死亡届、火葬許可証の手配
・遺影の手配
・雑品購入(不祝儀袋、筆記具、半紙、茶菓子など)
・冷暖房、テント等の指示
・供花、花輪の点検
・焼香席次の決定
・通夜ぶるまいの手配
・葬儀の忌辞依頼の人選相談
・略式会葬礼状の手配
通夜
・僧侶、来賓へのあいさつ
・通夜ぶるまいの席でのあいさつ
・喪主、僧侶と葬儀、告別式の打ち合わせ

葬儀前
・火葬場へ行ってもらう回送車、接待係の手配
・火葬場での心付け手配
・精進落としの宴席手配
葬儀・告別式
・会葬者へのあいさつ
・僧侶へのお布施渡し
・出棺の指示
火葬場
・火葬許可証を提出し、埋葬許可証をもらう
・心付けを渡す
骨迎え以降
・僧侶へのあいさつ
・会葬者記帳簿、支払い精算書等の事務手続きを遺族に引き継ぐ

●その他の世話役
会計係…葬儀の費用の出し入れ、香典の管理などを行う
受付係…弔問客の受付、案内
進行係…葬儀の司会、進行。葬儀社に頼むこともできる
台所係…酒食、茶菓を準備する。通夜、精進落としの宴席の接待をする

遺族の服装心得

●通夜前
喪主、遺族は普段着で地味なものを着用。喪服を着る必要はありませんが、近所の人々や友人、知人がかけつけてくるので、身だしなみは整えておきます。
女性は薄化粧にし、結婚指輪以外のアクセサリーは取ります。
●通夜・葬儀・告別式
喪主、遺族は正式喪服を着用。近親者は略式喪服でもかまいません。
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